五色ヶ原 3DAYS 8/13-15 DAY2,3

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昨夜は17時にシュラフに潜り込んだ。寒くなく、シュラフのファスナーは閉じずにテントのベンチレーションも全開にした。すぐに眠りに落ちたようだ。二日目は薬師岳方面へと稜線歩きを楽しむ予定なので急ぐ必要はなく、アラームはセットしなかった。

深夜に一度目が覚めたついでにトイレにいくと、満天の星空が見えた。天の川を見たのは前はいつだったのか思い出せないほど、本当に久しぶりだった。

DAY2 五色ヶ原⇄越中沢岳

妻にゆすられて目が覚める。体は軽く目覚めはいい。5時、稜線の彼方から陽が射し始める。
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時間が経つにつれてチングルマが陽を受けて輝きだす。山で一番好きな瞬間が始まる。これから長い縦走路を歩くハイカー達の旅立ちの時間を演出するように、チングルマは朝陽を受けて輝きを増していく。
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朝食はホットドッグ。暑さでウィンナーが持つか心配だったが二日目でも大丈夫だった。
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6時半、人気のなくなったテン場を越中沢岳に向けて出発。
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煮沸して作った飲用水が足りなかったので小屋でポカリスエットを購入。
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小屋前に見える鷲岳。今日も快晴だ。
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序盤は木道の緩やかな登りが続く。五色ヶ原を振り返る。
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彼方に見えるのは恐らく針ノ木岳。
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そして野口五郎岳、槍ヶ岳。
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チングルマが朝露をまとっていて昨日とは違う表情を見せてくれる。
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いい具合にガスっていたのでブロッケンが現れた。
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越中沢岳までは一度大きく下降する。
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途中、シラビソの樹林帯を抜ける。
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後はなだらかな登りと、少しの時間の間に多様に変化して飽きないトレイルだ。
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薬師岳が大きく見えてきた。
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越中沢岳のピークに人影が見える。
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9時、越中沢岳ピーク着。
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前方に薬師岳、その手前に縦走路上のスゴ乗越小屋が見える。薬師岳まではかなり下ってからの登り返しなので体力を使いそうな縦走路だ。
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振り返ると五色ヶ原の台地と鬼岳が見えた。
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時間があったのでピークで昼食にしてゆっくりと過ごす。10時、帰路につく。
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見上げると秋空の様な雲が出ていた。
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11時半、五色ヶ原に戻ってきた。決して華やかな稜線ではない。お盆にも関わらず人も少ない。逆にその静けさが自分の山登りの時間に集中できてよかった。もくもくと静かに楽しめるトレイルだ。
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立山方面に不思議な形の雲が出ていた。
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小屋前まで帰ってくると、彼方には夏雲。ああ、夏山にきたんだなと実感する瞬間。
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テン場に戻ってきた。
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焼きそばを作って休憩。越中沢岳で学生パーティーが同じものを大量に作っていた。
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後は少し昼寝をして、テン場周辺を散策したりして過ごす。
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夕飯はコーンビーフと豆の炒め物、ワカメサラダ。
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そして親子丼と豚汁。
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明日は室堂へ帰る。日の出とともに出たかったので18時に就寝。20時ぐらいに激しい雨音で目が覚める。地面で跳ね返った雫がフライの隙間からテント本体にあたるほど激しかった。

深夜、コツコツと誰かが木道を歩いてくる音で目が覚める。雨はやんでいる。時計を見ると23時。すぐ隣に荷物をおろして幕を張ろうとしている気配がする。ヘッドランプの明かりがフライを通して入ってきて眩しい。フライを開けて見ると今着いたみたいでシェルターを張ろうとしていた。

DAY3 五色ヶ原→室堂

2時、周りが動き出す気配で目が覚める。隣のシェルターの人も既に幕をたたんでいる。
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雲が垂れ込めているが雨はまだ降っていない。
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朝食を食べて、ヘッドランプの明かりで手早く撤収する。
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4時、霧雨が降りだした中、室堂へ向けて出発。
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ガスっていると歩いてきた道でも様子が違い、初めて通る様に感じる。
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室堂までの下って登っての繰り返しが始まった。
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ガスの中のチングルマの群生は幻想的だ。
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途中で本降りになってきた。
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風も吹いて寒いが、高山植物を楽しみながらのハイクなので苦痛ではない。
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往路と復路で、見上げるのと見下ろすのとでは、同じ道でもまた見る風景が違っていて楽しい。
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鬼岳を巻いている辺り。先行するのは学生パーティー。
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こんな天気だとつい期待してしまうけど、その通り現れてくれた雷鳥親子。
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雄の雷鳥もいた。
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龍王岳を巻いてから一ノ越までは吹きさらしで霧雨が横殴りに叩きつける。視界が悪く、寒かった。
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室堂は一昨日と打って変わってこの有様、さすがに観光客もまばらだ。
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みくりが池温泉に入って食堂で休んでいる間も外は暴風雨。テレビではオリンピックの卓球をやっていた。そういえばオリンピックやっていたんだなと思い出して、歓声をあげる人達をぼんやりと眺めながら下界へと下りる準備を始める。

あっという間に夏山が終わってしまった。もっと歩きたかった。でも、これぐらいがちょうどいいのだと言い聞かせて体の疲労感を心地よく感じてみる。