素晴らしき11年目の真実

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金曜日、仕事が終わると新幹線に飛び乗って友人に会う為に東京へ。週末の新幹線の乗客はほとんどがスーツを着たサラリーマン。発車と同時にプシュッとあちこちでビールを開ける音があがり、つまみと弁当の匂いが漂って来た。ぼくもビールを飲んで心地よい眠りに落ちて目が覚めると新横浜。東京に初めて行ったのは数年前、随分近い街になったものだ。

東京駅に着くと中央線に乗り換えて荻窪へ。東京の地名ってどこに住んでいようと何かと耳にするので荻窪って聞き慣れたものだけど行くのはもちろん始めて。「おぎくぼ〜おぎくぼ〜」、駅に電車が着いた時のJR東日本のあのアナウンスが結構好き。独特のイントネーションがはやる気持ちを落ち着かせてくれる。


友人とは11年前にカシュガルで出会った。その友人宅に一泊して翌日は周辺を散歩。昔の造りのいい家がたくさん残っている。立派な松がある家など、緑と花が多い。細く入り組んだ道が多くて、カシュガルのオールドタウンみたいだなと言い合いながら歩いた。そんな彼も今では立派な声楽家。

散歩から戻ると同じカシュガルで出会ったもうひとりの友人がお母さんと昼食を作っていた。日本で9年前に会ったきりだったのでどんな感じになるのだろうかと思ったけど会ってみればなんて事はなくカシュガルの時と同じテンション。彼女は埼玉の有名な農家に弟子入りして今は巣立って立派な米と野菜を育てている。その米を一度送ってもらったことがある。粒が立っていて歯ごたえがあり、噛み締めると味がじんわりと出てきてほんとうに美味しくて感動した。

友人宅には次から次へと面白い人が訪ねて来て歓談の輪が絶えることなく、刺激に満ちた一日だった。近くの神社にお囃子の練習も見に行った。みんな酒好きというのは聞いていたけど栓抜きの数が半端ない。

もらった紫黒米を入れて炊いてみた。ほんの少し混ぜただけなのにご飯全体がもちもちに。これは魔法の粉だな。人を酔わせる歌を歌える11年目、人を唸らせる米を作れる11年目。ほんとうに素晴らしいよ君たちは。