台北的假日 DAY,1 麗しの緑の街

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侯孝賢の『悲情城市』を観て台湾人の悲哀というものを知り、民族とか国とかについて考え始めたのが高校生の頃だった。いつか行ってみたいと思っていた台湾。3泊4日の週末弾丸トラベルだけど10年振りの海外ひとり旅を楽しんできた。

泊まったホテルは台北駅から3駅の古亭という所にある友星大飯店。古亭周辺には日本統治時代の家屋がわりと多く残っている。近くに師範大学や台湾大学もあって学生街でもあるのでなんだか楽しそうな予感がしていた。友星大飯店はガイドブックには載っていない地元の人向けのホテルで松浦弥太郎の『居ごこちのよい旅』で紹介されていた。台北市内は古亭周辺をぶらぶらするだけで充分楽しめるんじゃないだろうか。

台北駅で明日の列車のチケットを買って市内各地で使えるTPE-FreeというWi-Fiの手続きをしてからホテルにチェックイン。久しぶりに面と向かって中国語で会話をした。使ってなくてもまだなんとかなるもんだ。フロントには片言の日本語を話せる人がいた。ホテルの名前の通り結構フレンドリー。

早速小籠包を食べに歩いて30分ほどの永康街へ向かう。

師範大学から永康街までの間に何軒も日本家屋を見かけた。

人が住んでいるのもあれば誰も住んでいなくて朽ち果てているものもあった。路地をちょっと入るとかわいい感じの家があったりしてこの辺りはなかなか楽しめる。

学生街なので若い人が多いんだけどファッションがほぼ日本と変わらない。よく見れば微妙に違うんだけど。街はなんだか落ち着いた雰囲気。今まで中国語が飛び交う街は大陸の喧噪な街しか知らなかったので新鮮、というより感動した。コンビニで買い物をすれば「謝々!」と笑顔で釣り銭を手渡ししてくれる。ちょっとぶつかっただけで「不好意思」とすまなさそうにする。物を落とせばすぐに拾ってくれる。誰かが転ぶと駆け寄って助ける。同じ中国語、台湾では國語という、を喋っているのにこの違いに本当に感動した。

台湾人は緑が好きなのか法律で決まっているのかスペースさえあれば緑を植えている。ベランダ、屋上、工事現場の養生壁面にも。

台北101にも巨大な樹が。

鼎泰豊本店で小籠包を食べて永康街をぶらぶらして古亭へ戻る。雨のせいか空気が濃厚だった。肺が満たされる感じ。湿度も高く肌が潤うのを感じる。街にすんなりと自分が溶け込んでいくのを感じる。

ほんとに、居心地がいい街だ。