また記憶が甦った。
妹の結婚式のフォトブックが仕上がったので
実家に持って行ってきた。
両親とブックを見ながら当日の事を色々話していたんだけど、
どうやらぼくは小学校の頃児童会の班長だったらしい。
結婚式に来ていた妹の同級生が
ぼくを見て「班長や班長や、掃除さぼってよ〜怒られたわあ」
とはしゃいでいたらしい。
班長をやっていたなんて全く忘れていた。
ゼッケンを付けた六年生のぼくが一年生から五年生までを
引き連れて掃除に励んでいる姿が薄ぼんやり甦ってきた。
だけども今日の問題は、
大切なフィルムを何処に仕舞ったのか全く思い出せないことだ。
麗江のフィルムが影も形も無く消え失せてしまっている。
モノクロフィルムは全部スリーブでファイルして保存しているのに
麗江だけ見当たらない。
この狭い家でいったい何処に行ったんだろうか?
町の高台に登って撮ったカットが
しっとりと瑞々しくて気に入ってたのになあ。
また行って撮ればいいか。
どうやらもう一度、あの町へ行く運命にあるらしい。