2016年5月からセクションで歩き始めた高島トレイル。
比較的休みやすいゴールデンウィークの恒例山行となり、3年連続で歩いてきたが2019年は都合がつかず、そのままコロナ禍に入ってしまい中断。今回6年ぶりの再開となった。
下記はその3回分の山行レポート。
DAY1 5/3 木地山峠→ナベクボ峠
今回は木地山峠からスタートなのだが、自宅から登山口の木地山バス停までのアクセスがよくない。これが6年間高島トレイルから遠ざかっていたひとつの原因だったりする。バスで行くと登山開始が10時ごろになるので、神戸から安曇川まで始発で行き、タクシーで木地山バス停に入った。
安曇川駅からのタクシーは予約しておこうと前日に電話すると予約不要で乗れるとのこと。駅に着くとタクシー乗り場に2台止まっていた。木地山バス停まではおよそ30分で11000円だった。
ここから木地山峠へは前回下った沢沿いの道を登れば2時間ほどなのだが、その道があまりよくなかったので別ルートで木地山峠を目指す。
8時8分、登山開始。まずは高島トレイル上の与助谷山に登って木地山峠を目指す。与助谷山から木地山峠までは前回歩いたルートと被って30分ほどのロスだが安全なルートを選んだ。
しばらく林道を歩くと高島トレイルのマーキングテープに出会う。戻ってきたんだなと思う。ここから尾根沿いに登り詰めて高島トレイルに合流する。
快晴でまぶしいばかりの新緑。
暑くなるだろうと思っていたがそれほどでもなく、汗をかかずに快適に新緑の下を歩いていく。
9時47分、与助谷山着、高島トレイルに合流した。
6年ぶりに戻ってきた。感慨深かった。
分水嶺なので常に尾根沿いを歩く。フラットで新緑があふれる気持ちのいい道だ。
このように急に開けたりもする。そうだった、高島トレイルってこんな感じだったなと思い出した。風景、植生、どちらも変化に富んでいて歩いていて飽きることがない。
サコッシュはTATE、バックパックはR1だ。
高島トレイルを歩き始めた8年前はまだMYOGを始める前で装備も今と違っていた。その変化と8年の間に起こった環境の変化、自身の変化を想いながら歩く。
11時7分、木地山峠着。今回のスタート地点に到着した。
ここで水を補給。水場は峠から数分下ったところにあり、水量も充分あった。この先水場は少ないので汲めるだけ汲む。
木地山峠にて近江側から若狭側を眺める。
新緑がもりもりと美しく、まぶしい。
アップダウンを繰り返しながら百里ヶ岳を目指す。
12時35分、百里ヶ岳着。
13時48分、根来坂峠着。
14時25分、おにゅう峠着。ここからは朽木の山々と京都の北山、そして若狭湾が見える。境目に立っていることを実感させてくれる。
15時39分、おにゅう峠から南下してピーク803手前の幕営適地に着いた。水場情報を得ていたのでしばらく探した。水の流れる音が聞こえてくるところまではたどり着けたのだがかなり下の方だったので危険だと判断して諦めた。木地山峠で補給した分があるので夕食と明日の朝食、行動中の飲用水はなんとかある。
高島トレイルで4度目の幕営地はブナの新緑に囲まれた落ち葉ふかふかのフラット極上立地だった。
テントに寝転んで見上げればこの風景。
寒くもなく暑くもなく、そよ風が通り抜け、静寂の中、時折動物の鳴き声が聞こえてくる。陽も長くなっているのでただぼんやりと無心の時間を過ごす。
17時44分、ようやくようやく陽が傾いてきた。
定番の夕食を食べる。
夕食を食べ終えると森に夕陽が差し込んできた。
木の幹が夕陽を受けて輝いていた。
陽が暮れてくると動物の気配がより濃くなってきた。近くで大きな鳴き声がして見るとシカが飛び跳ねた。
夜、色んな種類の動物の鳴き声が四方から聞こえてきた。その度に寝覚めるわけでもないがまどろみながらもその声に耳を傾けていた。とても心地のいい眠りだった。
DAY2 5/4 木地山峠→ナベクボ峠
歩き始める前は今回で踏破するつもりでいたが昨日の内に今回はナベクボ峠までと決めていた。なので充分寝坊して7時に起床。
本当にいい幕営場だとテントを出た瞬間に思う。見上げると今日も天気がいい。
歩き始めて30分でなんと水場が!看板を見る限り結構古いのに地図には出ていない。ここで充分補給して水の心配はなくなった。
残りの時間、この美しいトレイルを堪能しながら歩く。
10時23分、ナベクボ峠着。朽木生杉に下山する。
生杉は学生の頃にフィールドワークで入ったことのある思い出深い集落だ。朽木の中で最も山深い集落になるのではないだろうか。まるで日本昔ばなしに出てくるような風景の中を歩く。
バスまで時間があったので少し歩いたところにあるカフェで休憩した。チーズケーキとカフェラテをいただいたのだがどちらもとてもおいしかった。静かな集落、と思っていたがひっきりなしに地元の人がやってきておしゃべりをして帰っていくとても賑やかなところだった。
コロナ禍以前から歩き始めた高島トレイルセクションハイク。この道を歩き始めてから本当に色んなことがあり、ぼくを取り巻く環境もぼく自身も変化してきた。今回歩きながら頻繁にそれを思った。
時間の流れと変化を実感する山行となった。