今年のお盆は北アルプスの表銀座ソロハイクをセッティングしてパッキングまで済ませていたのですが、前々日ぐらいに急遽妻も参加することに。10代の頃から北アルプスを縦横無尽に歩いてきた妻も今回は久しぶりなので、登りやすい所をということで白馬岳(しろうまだけ)へ行ってきました。
夫婦で北アルプスに入るのは久しぶりで、3年ぶりぐらいかも?僕は白馬は始めてだったので色々と期待に胸を膨らませて、12日に仕事を終えると新幹線、特急、在来線と乗り継いで5時間かけて白馬村へ。白馬村で下車した瞬間、涼しさと静けさに別世界に来た気分に。
以下、8月13日〜15日の山行レポートです。
DAY 1
翌13日、民宿の女将さんに栂池まで送ってもらう。7時半始発のリフト、ゴンドラを乗り継いで栂池平から登山開始。
夕方から雨の予報。この時はまだ太陽が出ていて滝汗をかきながら高度を稼ぐ。
12時頃テン場着。雨は上がったのでゆったりとお昼ご飯&ビール。
白馬大池のテン場はフラットでお花畑に囲まれていて居心地がいい。
すぐ近くの雪渓の上部には冷気の為か、まだチングルマの花が残っている。
お花畑を横目に読書をして昼寝をしてと、初日はのんびりと過ごす。
白馬は北アルプスでも北端に位置するので関西からのアクセスは悪いが、このテン場では関西弁を聞くことが多かったので意外だった。近所の高校の山岳部が合宿で来てたり。
夜中に再び雨に。
10年以上使っているテント、プロモンテVL32だがフライの劣化が激しくて、一度メンテナンスしていたのがやはり雨漏りした。フロアに水たまりができたけどマットのお陰で濡れることはなかった。このテントは今回の山行で使い納めになりそうだ。
DAY 2
3時起床。
雨は小降り。レインウェアを着込んで出発。今日は白馬岳ピークを越えて、頂上宿舎のテン場で幕営の予定。
勾配の少ない美しい稜線が白馬岳まで続く。眺望は全くきかない。
白馬は高山植物の宝庫と聞いていたがそこかしこに美しい花が咲き乱れている。
この後、風が強まり横殴りの雨に。急激に体温を奪われるのでペースを保って歩き続けた。
カメラを取り出せないのでずっとGoProを回していた。
初めてオコジョ(物凄く小さくですが動画の2分41秒あたりに映っています。)を見たり。
雷鳥が出るには絶好のコンディションだったので群れで見たり。
さすがに冷えを感じたので白馬山荘のレストランでケーキセットを頼んで停滞。外は横殴りの雨。
雨漏りするテントを張るにはさすがにテンションが上がらない天候だ。
一応歩いて20分ほどの頂上宿舎のテン場を見に行く。
結構な数が幕営していたけど、ちょうど風の吹き抜け場所になっていてゆっさゆっさとテントが揺れている。
雨漏りテントにこれは無理だと諦めて白馬山荘に泊まることにした。
1000人収容可能な日本最大の山小屋というだけあって規模がすごい。設備も整っていて、広く、迷うほど。繁忙期なのだが幸いにも1人1枚分の布団があって、しかも大部屋ではなく仕切りのある部屋で快適そのもの。外の暴風雨の世界とは別世界。
自炊室で知り合った人と少し飲んだり、喫茶室の歌の会に参加したりと小屋ならではの過ごし方を楽しんだ。
DAY 3
3時起床。もう既に出発している人もいる。
4時前、外に出ると星空と町の夜景が目に飛び込んできた。そして東の空がほんのり明るい。
予報通り今日は晴れだ。
振り返ると昨日は見えなかった剱岳が。剱岳はいつどこから見てもかっこいい。
山で見る日の出は実は初めてだったりする。何度も山に足を運んでいても天候に恵まれないことが多い。
予定では杓子岳、鑓ヶ岳、温泉小屋と回って下りるつもりだったが、杓子岳をピストンして、せっかくなので雪渓から下山することにした。
ガスが出ていたのでもしかすると出るかもしれないと思っていると、現れた。
ブロッケン現象、初めて見た。いつかは見たいと思っていた山の風景なので本当に嬉しかった。
3箇所ぐらいに現れたので気象条件さえ揃えば見れるものなのだろう。
今回はゴッサマーギアを担いだULハイカーに5人ほど会った。さすがに早くてさくさく進んで行く。
コマクサの群生地。稜線近くのあえて厳しい土地を選んで咲く花は美しい。
雪渓までのお花場がまた素晴らしかった。
見上げたそれはまさに夏山で、離れるのが名残惜しかった。
雪渓で一番怖いのは落石。下りてる途中も杓子岳方面からひと抱えもあるサイズが落ちてきた。
登山者の行列はストップして成り行きを見守って再び動き出す。
ゲレンデでいうなら上級コースクラスの斜度はあるので結構膝にくる。半ばぐらいに来ると膝が笑い出した。
雪渓を下り切るのにCT通り1時間半かかった。落石が多いため休憩できないので今回の山行で一番ハードなセクションだった。
GoPro動画
ギアインプレッション
雨ということもあり、大活躍したのはファイントラックのスキンメッシュ(Tシャツ)でした。ベースにパタゴニアのキャプリーン2、その下にスキンメッシュで初日の登りも2日目の雨中登山も嫌な冷えはなくて快適。全く冷えを感じないわけではないが立ち止まってもダウンを羽織れば回復可能な冷えで震えはない。肌は完全にドライというわけにはいかなくて拭かなくていい程度のベタつき感はある。
いつもならアイスブレーカーのメリノウール1枚だが、それだと初日の登りには滝汗をかいてオーバヒートしてしまい、2日目の雨中登山だとレインウェアの蒸れと汗、吹き込んだ雨で湿り気を帯びて冷えにつながっただろう。そこをスキンメッシュのお陰で激しいハイクをしてもそこそこ涼しく蒸れ感のないキャプリーンで対応できたのは大きかった。